静岡県 東名自動車学校のコラム
お客様に安心と自信、運転の達人になる道へのコラムをお伝えしていきたいと思います。
夜間の歩行者事故を防ぐために
― 見えない理由と対策を正しく知る ―
1. なぜ夜間は歩行者が見えにくいのか
夜間は昼間と比べて、ドライバーの視認性が大きく低下します。主な理由は以下の通りです。
- ・人間の視覚特性
暗い場所では色の識別能力が低下し、コントラスト(明暗差)も感じにくくなります。特に黒や紺などの暗色系の服装は背景と同化しやすくなります。 - ・視野が狭くなる
夜間は視線の中心部は見えても、周辺視野の情報処理能力が落ちます。路肩や横断歩道付近の歩行者に気づきにくくなります。 - ・無灯火・反射材未着用
自発光しない歩行者は、ヘッドライトに照らされるまでほとんど視認できません。
2. 蒸発現象(グレア現象)とは?
対向車のヘッドライトや街灯の強い光によって、視界が白くにじみ、対象物が見えにくくなる現象のことです。
特に夜間や雨天時に起こりやすく、横断歩道の歩行者が“消えたように見える”ことがあります。
① なぜ歩行者が見えなくなるの?
- ・強い光が目に入り、瞳孔が縮む
- ・光がフロントガラスや路面で反射
- ・目の中で光が散乱し、コントラストが低下
その結果、暗い服の歩行者や自転車が背景と同化しやすくなります。
② 起こりやすい場面
- ・夜間の横断歩道
- ・雨の日(路面が光を反射)
- ・フロントガラスが汚れているとき
- ・対向車がハイビームのとき
③ 防ぐためのポイント
- ・フロントガラスを常にきれいに保つ
- ・早めの減速・横断歩道手前での徐行
- ・対向車が来たら視線をやや左側へ
- ・夜間はハイビームを適切に活用(対向車がいない時)
蒸発現象は「見えているつもり」が一番危険です。
横断歩道では「いるかもしれない」運転を心がけることが、事故防止につながります。
3. 夜間の歩行者事故の発生状況
夜間は交通量が昼間より少ないにもかかわらず、歩行者の死亡事故は夜間に多発する傾向があります。
主な特徴は:
- ・横断歩道以外の場所での横断
- ・無灯火の道路
- ・高齢者の被害割合が高い
- ・車両側の発見遅れ
「見えなかった」では済まされないのが夜間事故です。
見えにくい前提で運転することが求められます。
4. 事故を防ぐ3つの重要ポイント
① 速度調節の重要性
夜間は停止距離が伸びることを前提に、昼間よりも速度を抑える必要があります。
- ・速度が高いほど発見しても止まれない
- ・制動距離+空走距離を意識する
- ・市街地では特に減速
「見える距離=止まれる距離」にすることが基本です。
② 早期発見の意識
- ・交差点手前では必ず減速
- ・路肩・電柱の影・停車車両の陰を警戒
- ・ハイビームの適切活用
ハイビームは「遠くを見るための装備」です。対向車や前車がいないときは積極的に使用し、早期発見につなげましょう。
③ 予測運転の徹底
事故防止で最も重要なのは予測運転です。
- ・「人がいそう」と考える
- ・コンビニ前、バス停付近は特に注意
- ・信号が青でも横断者を想定
危険は“発見するもの”ではなく、“予測するもの”です。
5. ヘッドライトと視界の関係
ヘッドライトの照射距離には大きな差があります。
- ・ロービーム:約40m
- ・ハイビーム:約100m
例えば時速60kmでは、空走距離と制動距離を合わせると約44m以上必要になる場合があります。 ロービームだけでは、見えてからでは止まれない可能性があるのです。
つまり、
- ・速度を抑える
- ・ハイビームを活用する
- ・常に止まれる準備をする
この3つがセットで重要になります。
まとめ
夜間の歩行者事故は、
- ・見えにくい視環境
- ・蒸発現象
- ・発見の遅れ
- ・速度超過
これらが重なって発生します。
だからこそ必要なのは、「見えないかもしれない」と考える運転。
速度調節・早期発見・予測運転を徹底し、夜間こそ慎重な運転を心がけましょう。


